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  • 2012.09.04 Tuesday
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峰不二子という女

 公園で小さな女の子がおばあちゃんに2匹の蝉を見せて「どっちが男?」と聞いているシーンに遭遇しました。おばあちゃんは「泣くほうが男よ」と言いました。いやー、「文学的瞬間」ってあるもんです こね。
 今週のFLASHは、テレビアニメ『峰不二子という女』の山本紗代監督前編です。
 こうも時代が行き詰づまってくると、「革新的なもの」を求めてしまうんですけど、そんなもの簡単に生まれません。漫画なんかも今までの漫画に不満があるなら「自分ならこう描く」という革新的漫画を描けばいいんだけど、よく見たら「誰かの作品」がネタ元だったのに気がつくわけです。
 そういうふうにイノベーションに取り憑かれると身動きが取れなくなるものですけど、僕はある時期から「これは自分の能力が過去の歴史より優れているはず」というとてつもない誤解からきていることに気が付きました。
 『ルパン3世』という作品自体が「アルセーヌ・ルパンの物語」のスピンオフ的に生まれていたり、『ドラゴンボール』が『西遊記』だったり名作の多くが「過去作品」をバックに生まれているんですよね。
 山本さんはその辺を実に理解している頭のいい人でした。


「環境系ヒーロー」チーム

 絶薬で知り合った「環境系ヒーロー」チームのみんなと飲み会をしました。原発ゼロは可能だという提言をしてる枝廣淳子さんに田中優さん、IPCC準備中の江守正多博士、みんな具体的に動いてて救われます。ビール飲みすぎました。

 今週のFLASHは、陰陽六行自然学を唱える、占い師の前田令洋さんです。
 現実に『霊感がどうとか』の人たちの中には、ひどい事やってたりする人もいますし、歴史的大量殺人を起こした教団もあったんで「占い」とかはまとめてうさんくさいもの、というのもわかる気がしますけど、全否定ってのもつまらない気がします。
 僕の場合占いとか何かしら目に見えないものに心魅かれるのは、「心が弱っているとき」ですけどね。
 漫画稼業はどこか「ギャンブル」で「良い作品」と「世の人気」は別物だったりするんで、時代の風はどこに吹くんだよっ、とか知りたいんですよね。まあ、そんな料簡じゃあ作家なんかやれませんけどね。そんな僕はときどき「自分のベストイヤー」と「ワーストイヤー」を書きだして自分の人生のサイクルを分析したくなります。どっちにしろ「間違った判断」の背後には「不安」があるんですね。占いに肩を押されたいのもわかります。


さよなら原発

 今回のデモは、安保以降最大だと聞きました。
 7月29日に行われた『脱原発国会大包囲』デモでは逮捕者が出るほどのヒートアップぶり。
 でも現場に行っていちばん感じるのは、観念や思想信条や時代の空気なんかで動いている感じではなく「どうしようもない憤りと怒りと悲しみ」で突き動かされている人たちの空気でした。
 僕が25年前に「日本をチェルノブイリにしたくない」という脱原発デモに参加したときは、まだ日本もバブル真っ盛りで事故も対岸の火事で、どこか「お祭り気分」だった感じだったのを覚えています。
 今回はその「避けたかった原発事故の当事国」になり国土を何万年もの汚染させられた人たちのデモで、漂う本気度が全然違うのです。
 それでも「国益のために再稼働はやむなし」といった老朽化した政治猿芝居が続き、「いつものように国民は飽きるだろう」という構えの旧体制。今回のデモの人たちはあなどれないですよ。


再稼動反対デモにちょっと参加

 「さよなら原発」はやっぱり原子力ムラの偉い人の奥様が「もう止めなさいよ」と旦那に言わないとだめなもかなぁ、とかちょっと思ってます。寂聴さんなら奥様たちを説得できるかも。歴史は女が作るものだしね。

 今週のFLASHは俳優の内田朝陽クンの後編です。
 近年やたらと「ゆとり世代は甘い」という論調を耳にしますけど、これって「社会は甘くない、のんびりしてると潰されるのが現実社会で、誰も助けてくれないのだ」みたいな感覚から言われているんだと思うけど僕は違和感を感じてしまいます。今回内田氏といちばん盛り上がった話は「田舎にはまだまだ人間らしい世界がある」という話でした。ひと言でいうと「助けてくれる人のいる社会」ですね。
 田舎の人間関係は濃厚で煩わしいのもわかるけど、東京・六本木みたいな「勝者のみが生きられる」的な世界から見れば暖かくて、生き返るのもわかります。都会人たちは本当に疲れ果てていて、勝っても「ゆとり」を得られらませんからね。そもそも人って「ゆとり時間」なしでまともに生きれないものだし、できれば「誰かを助けたい」とか思う生きものですよね。

いい刺激!

 昔の友人「夏野苺」さんがカメラマンとして活躍してて最近は「おまじないのフォトブック」を出版したり、元アシのバンドがインディーズバンド世界大会の日本代表決定戦に出たり、挑戦する仲間たちに最近いい刺激をもらってます。
 今週のFLASHは、俳優の内田朝陽くん前編です。
 ここ数年ずっと考えていたことは、「どうすれば人間は環境と共存しながら幸せに暮らせるか?」ということだったんですが、そういうことを考えること自体が「痛いやつ」と言われる傾向にあるのがこの国ですよね。
 まぁ、そういう類の批判は主にネットでしか見ないので全部が全部「そんな殺伐とした空気」に覆われてるわけではないんでしょうけど、感性豊かな人や、ちゃんと考えようとしてる人をまとめて「中2病」と言っちゃうのはどうなんでしょうね。
 まぁ僕は永遠の中2病ですけどね。えぇ、大人になんかなれませんよ。「命の危険を抱えたまま金と放射能にまみれて経済発展とか言うのが大人になることなのかよっっ!」とか言っちゃう気分ですよ。
 内田くんは実に「詩人」な人でそんな僕ととても合う感性の人でした。一緒にされたら迷惑でしょうか。


鬼束ショック

 今年の変化は人生の中でも最大級の変化のような気がしてきました。原発事故が表出化させたこの国の絶望も長かった隠蔽時代よりはましだと思えてきたし。あとジョブズの仕事仲間の書いた『think simple』が面白いです。

 今週のFLASHは、鬼束ちひろさんの後編です。 鬼束さんに会ってから何週間も狼狽と混乱と反省が渦巻いております。前回彼女には何層もの層があって少しの時間ではとても理解できない、と書きましたけど、逆にシンプルに伝わってくる部分もあって、それが言ってみれば「純度」みたいなものの高さだと思いました。
 後期のピカソやマチスの作品があれほどまでにパワフルなのは、余計な不純物を捨てて極限まで純度を高めているからだと思うのですが、鬼束さんから感じるものはそういう「不純物」を拒んできた人の持つ「純粋さ」で、これこそ「詩人の気質」であり「芸術家の資格」なんだと思いました。僕もモノを作るものの端くれとして「ある程度以上の純度」は絶対に必要なわけで、この「自分の中の聖なる詩人」がいなくなったら表現者の資格なんかはないんで、本当に反省しました。


『アリエネ』最新第3巻!

 じわじわと人気の出てきたビッグコミックスピリッツの『アリエネ』がいよいよ勝負の第3巻発売で、準備に追われてます。幸せなことに“自信ある漫画”になってきました。美大受験の漫画なんだけど、「愛と真実」が描けそうです。

 今週のFLASHのゲストは何と!鬼束ちひろさんの前編です。
 
鬼束さんは「自分の中にいくつものOSがあって、同時にいくつもの思考が動いているというようなことを言っていました。
 人間にはいくつもの層があるし、「ある部分」だけでその人がわかるわけはないんですよね。
 このインタビューの間もファンキーなミュージシャンとして笑わせてくれたり、大人の女性として語ってくれたりする間に何度も純粋で優しい部分が見えて、この時間だけではとても彼女のことはわからないと思いました。
 鬼束さんは僕が意識しつつ、あえて開けないようにしていた「扉」を開けてきた人に思えます。表面だけ善意の顔で本音は言わず、「嘘」ばかりが飛び交う「腐敗した世界」に正面から向き合ってきた人なんだと思うわけです。それはハードで尊敬に値する生き方ですよ。そういう人こそ自分を「歌う」資格があるんだと思います。

梅雨です

 リオの国際環境会議に期待しつつも6月の台風に滅入ってます。でも、「新しい何か」を生むためにギターとか弾いてます。いつもの考えすぎです。スピリッツ連載中の『アリエネ』のカラーページを油絵の技法で描いたらやっぱり下手でした(笑)。
 今週のFLASHはジャーナリスト・
水島宏明教授の後編です。
 
僕はウルトラマンで育っているので、あれを作った世代が夢見た「正義」っていうものにいまだに支配されています。あの頃の「正義」っていうのは今の「正義」とは違ってて主人公の認めた「仲間」だけでなく世界すべてのものが等しく「幸せ」であるべきだと考えていた感じもするんですよね。
 とか言っても「怪獣」には「話も聞かずに攻撃」でしたけどね(聞いて苦悶する話もあるけど)。
 そんなわけで僕はまだ「正義」なるものに期待してしまいます。
部の「悪の組織」の利益のせいで子供達が泣くような世界にしてはいけないのだ、なんて思うのです。ところがそういう思いは裏切られることが多くて、そういう世の中の仕組みを知るにつれ「冷静さ」、「したたかさ」の重要さを感じまてます。「折れ
ずにしなる」強さで生きて行きたいですね。


報道の客観性

 美大予備校漫画『アリエネ』の取材で、東京・武蔵野美大に行って「しゃべり場」みたいに数人の美大生と語り合ってきました。若者と話してると内なる自分があのころの自分になるもので、元気になりました。
 
 今週のFLASHは、法政大学教授で「ネットカフェ難民」という造語を作った、元テレビ局解説委員の水島宏明さんの後編です。
 
この連載をしていて怖いのは、対談した相手がどんな人なのかという漫画から受ける印象は、伝える僕の主観で決まってしまうってことです。毎回1時間以上の話をして伝えられる言葉は本当に限定されてしまうわけで、僕が相手の表情や、どの発言を選択するかでその人の印象は全然違うものになってしまうわけです。本当に「何かを伝える」っていうのは難しいものです。
 ところが一見客観的な装いをした「報道」なるものはやっかいです。切り取った時点で客観ではなくなるし、そこで伝える側の精神性が常に問われるわけです。「君の主観は何か?」ですよ。
 なるほど報道に必要なのは「哲学」でもありますね。僕は3・11ショックより、その後に露呈したこの国のシステムと精神性に悲しみを感じていて、今も立ち直れません。
 それは僕だけじゃないと思う。


著者謹呈

 『絶薬』の古い読者さんが、自身の著作を献本してくれました。「初め『絶薬』は嫌いだったけど、自分で書いてみて山田さんは仕事をしていたんだとわかった」とのこと。わかってくれて嬉しいです。「仕 事だけ」じゃないけどね。
 今週号のFLASHは、高田延彦さんの後編です。先週、前編を読んでくれた高田さんはすごく喜んでくれたそうで、すごく感謝です。
 で、
よく子供たちに「やりたいことを見つけて努力しなさい」なんて言いますが、大抵の人が「やりたいこと」と「自分が出来ること」、「お金になること」は違います、みたいに大人になっていくものですよね。ところがそうは言っても、好きなことをやってきた人に成功者が多いし「やりたくないこと」を成功させるのは難しい気がします。
 戦うのが好きな「プロレスラー」が「社長」になると「本来の強さを失う」という話はこの国の本質的な問題の象徴みたいです。僕も何度となく漫画そのものから心が離れそうになって、苦しみながら漫画を描いていた時期がありましたけど、そういう時に良いものはできませんよね。「楽しいことは必ず成功する」かというとそうではないこともありますが「楽しく感じない」という感じにはその先に失敗する何らかの「種」が入っているみたいですね。


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